修理を終えた日本剃刀
修理を終えた日本剃刀は、少し短くなったが、新品のような姿で帰ってきた。
それからというもの、毎日砥ぐことはなく、切れなくなったらぐという方針に変更。
毎日砥石で砥がなくても問題無し。
けど、少しだけメンテナンスは必要。
革砥というものをご存知だろうか?
ピンと伸ばした革にカミソリの刃を当て、刃の向きと反対側に擦っていくもので、日々の剃刀の使用により目に見えないぐらいのかえりが出てしまうため、それを防ぐために使用するものだ。次は革砥の紹介をしたいと思う。
三条からの電話
三条鍜冶集団に連絡をしたその翌日だっただろうか。見慣れない電話番号からの連絡であった。
電話の主は、三条製作所で現在日本剃刀を製作されている水落さんであった。
水落さんに修理を依頼し、またその数日後に連絡を受けた。
「砥ぎがよくないね。弧を描くように曲がってるということは、砥石が凹んでるんだよ。砥石を真っ直ぐにしないと。」とのことであった。
また毎日砥ぐ必要はなく、切れなくなったときに砥ぐもんだよと、ネットに溢れてる情報の誤りを教えてくださったのであった。
刃が欠けた
おろしたての岩崎の日本剃刀の切れ味は素晴らしく、朝がきてシェービングをするのが待ち遠しかった。
そんなある日、手元が緩んで落としてしまった・・・
刃が、刃が、刃が欠けている・・・
ほんとに小さい欠けだけど、日本剃刀には致命的。
ネットに溢れる情報ではひたすら研ぐとのことだが、欠けた部分を真っ直ぐにするまでにはどれだけの歳月が必要だろうか。
思いきって三条鍜冶集団に電話してみることにした。
日本剃刀を砥ぐ話(研ぐ)
「日本剃刀の砥ぎは難しい」「日本剃刀は一日一回砥がないと切れ味が悪くなる」
ネット上にはそのような話が散見される。
youtubeやネットに溢れる文献を読み何とか独学で砥ぐも、正解はわからない。
高い天然砥石が良いのか?砥石と擦り合わせる名倉砥は?
とにかくわからないことだらけだった。
手始めに中山砥のコッパと言われるものを購入し
使用したら砥ぎ続ける日々を過ごした。
これが正解なのだろうか・・・
とりあえず剃れるし問題ないと自分に言い聞かせていた。
日本剃刀との出会い
今から20年ほど前、髭も生えていない高校生だった頃、たまたま見ていたテレビで日本剃刀の職人さんが紹介されていた。日本刀をルーツに持つ日本剃刀の美しさや、日本剃刀を作る職人さんが少なくなっていることが紹介されていた。
そんな曖昧な記憶が2017年初頭、
突如として脳内に舞い込んで来た。特に思い出す出来事があったわけでもなくただ突然に。
「職人さんは今でもいるのか」「売っているのか」「いくらで売っているのか」「売っていても自分には扱えないのではないか」そんな悶々とした日々を過ごしたのち、1本購入することを決意した。
桐箱に入ったそいつのオーラたるや。
扱い方もわからない中試したところ顔中傷だらけになり、その日の夜の飲み会では友人たちに心配されました。